朝の日常

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当然口を塞がれたミラは息がつまり、それ以上言葉がつむげなくなる。 「分かりましたよ、選手交代。ちゃんとモップかけて下さいよ。そうやって毎回、俺が一人でやる羽目になるんだから。」 呆れ顔でバケツに手を伸ばしかけた宏次に、ミラが結構な勢いで抱きついた。 彼が愛用している、甘い女性用香水の香りが、ふんわりと纏い着く。 「だからヒロちゃん大好き☆今までのご主人様じゃ、こーは行かなかったもんね。」 そう言いながら宏次の左頬に、チュと音を立てキスをする。 そこまで身長差はないが、少しはミラの方が低い。軽く爪先で立ったキスを受けながら、宏次は遠くを見る様にする。 そして空間を見つめたまま、ミラの左耳に光る4つのピアスを触った。
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