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「うぅ…っ」
「ふぇ……うっ」
皆泣いてる。――葬式だから当たり前なんだけどでも、私は
「……」
泣かなかった。――いや、泣けなかった。
葬式よりも家にいたかったから。
家に帰って勉強したかったから。
「イジメてごめんね……」
派手なギャルが酷い顔で泣いてる。葬式の時はメイクぐらい落として来いよ。
「好きだったよ……」
太ってる男泣きながら言ってる。キモイ
――皆泣いてる。後悔しながら……
私は後悔していない。
私にとって後悔した事、それは――この葬式に出席した事。
゙来るんじゃなかっだ
私には、そう思う以外何もなかった。
『後悔先に立たず』
今ここでそう言ってやろうと思った。でも、言う事は出来なかった。その理由は――私にも分からなかった。
『後悔先に立たず』
この言葉は後に、私を苦しめる言葉となる。
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