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あれから半年がたち、無事に大学に合格出来る事になった。
考えてみたら、麻美がいない学校に通うのは初めて。
今日は入学式。
私は大学の門を見て少しニヤけた。……自分でも気持ち悪いって自覚出来たから、さっさと門を通ろうとしたその時――…
「よぉ」
「……先輩…」
私の目の前に初めて付き合った先輩が現れた。先輩はあの時よりも背が少し伸びてて、髪も金色になっていた。
「ちょっと話せるか?」
まさか一緒の大学だとは思わなかった。先輩は私の返事を聞かずに、勝手にスタスタ大学の中に入って行った。
私は急いで先輩のあとを追った。
「……」
「……」
そして私は今、大学の中にあるカフェにいる。注文したコーヒーがきて沈黙を破ったのは先輩だった。
「……あのさ、今から話すことは信じられないと思う。だけど、麻美の遺言だと思って聞いてほしい」
麻美の遺言?
「はい…」
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