Truth

麻美

それから何ヵ月かたってまた私に彼氏が出来た。

そして1週間もたたないうちに、麻美に取られた。

それから何ヵ月かたって、また彼氏が出来た。

だけどやっぱり1週間もたたないうちに、麻美に取られた。

正直、地味な私に短いうちにに六人も彼氏が出来たのは、奇跡だと思う。

そして、五人とも麻美に彼氏を取られたのも奇跡――…。

でも、一度だけ麻美に彼氏を取られなかった事がある。それもまた…奇跡なんだろう……

いつの日か、麻美に聞いたことがあった。

「何で私の彼氏取るの？ 普通の人なら麻美から離れてるよ」

そしたら麻美は……

「架奈は馬鹿だからね。男を見る目が無いんだよ。だから奪うの」

意味不明な答えを出してきた。見る目が無いって言われたけど、私が付き合ったうちの五人は学校の人気者。

「そうなの？」

「そうだよ」

笑いながら麻美はデコピンをしてきた。

意味は分からなかったけど、私はそれ以上何も聞かなかった。

そして麻美から離れる事もなかった。

それは多分、麻美が大好きだったから――…

でも、大嫌いだったから――…

だから麻美が死んだって聞いて、葬式の日に一番の親友の私だけが、泣くことは無かった。