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勇雷さんの顔を見る限り、どうやら間違っていないようなのだが、これは一体どういうことなのだろう。
「遅かったんですね。もっと早く帰ってくるものだと思っていましたが」
見た目を裏切らないあどけない声で話す女の子は、笑顔で俺達を見上げている。
「え~と、勇雷さんの娘さんですか?」
俺は首を傾げて呟く。
でも、確か勇雷さんは俺達の3つ上。
対して女の子は見たところ中学生くらいだ。
娘なわけがないのだが……。
「ぐすっ……」
俺の呟きを聞いた女の子が途端に目に涙を浮かべる。
「ええ!?な、なんで!?ちょ、ごめん!!ごめんね!!」
俺はいきなり泣き始めた女の子に戸惑いを隠せない。
女の子は鼻をすすりながら手で涙を拭っている。
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