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「あの、すいません紗彩さん。これ、私の故郷のお土産で、私のおすすめベスト10に入る代物です」
恭しく差し出すと、紗彩さんは泣きながらもこちらに視線を向けた。
「う……ぐす……それ、おいしい?」
「ええ、もちろん。とても大人な味わいでございます」
何言ってんだ俺……。
と、心の中で自虐する。
紗彩さんは大急ぎで涙を拭うと、すぐに俺の差し出したお土産を受け取った。
「ありがとうございます!!」
紗彩さんはぺかーと輝くような子どもの笑みを浮かべた。
ああ、喜んでくれてよかった。
勇雷さん達も安堵の表情を浮かべる。
「先程はお見苦しいところを見せてすいませんでした」
紗彩さんは少し顔を赤くしながら俺達にお茶を差し出す。
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