王都エストリエ

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「まあ、ちょっと面倒な組織なのだが、戦闘力は低いだろうからいいか。 対象の組織だが、王都であるエストリエで活動を始めた薬物組織だ。違法薬物や覚せい剤はもちろん、面倒なのは――」 ガシャンというものが割れる音が、勇雷さんの言葉を遮った。 驚いて音がした方を見ると、そこでは菜乃がお茶が入ったカップを落として割っていた。 「あ、ああ、す、すいません!!」 菜乃は慌てて立ち上がった。 すぐに紗彩さんがタオルを持って行き、佐奈も駆け寄っていく。 「だ、大丈夫ですか!?」 「火傷とかしなかった!?」 紗彩さんは必死に背伸びをして机を拭いていく。 「だ、大丈夫です……」 菜乃もそれを手伝って片づけるが、菜乃の顔を蒼白としていて、口も震えている。 「大丈夫かい?体調が悪いようなら、部屋を用意させるが?」
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