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「あ~えっと、実は迷子になってしまいまして……」
普通なら紗彩さんのような人――見た目が子どもなだけだけど――がなるものだが、立場が逆な俺が言っている光景は周りから見たらさぞシュールだろう。
「どこに行きたいんですか?」
「えっと、遺跡の資料が保管されている場所に。月島さんから許可はもらっているので……」
俺が王都に来たのはそもそもこのためだ。
まだ知っておきたいことがたくさんあるからのだ。
「ああ、そこなら普通に探しても無駄ですよ。絶対に見つかりません」
「あれ?そうなんですか?」
正確な場所を教えてもらっていないので見つからないのも無理もないのだが、探せば見つかると思っていた。
「ご案内しますよ」
「あ、はい。ありがとうございます」
紗彩さんに連れられて、俺は移動していく。
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