王都エストリエ

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俺は城の中層辺りを彷徨っていたのだが、紗彩さんはどんどん下に降りていく。 そして、一階まで降りてきた。 「祐介さんからは何も聞いてないんですか?遺跡の資料が保存されている場所」 一階に着いたところで紗彩さんが首を傾げながら尋ねてきた。 「ええ、特には。探せばわかるかと思って」 「祐介さんも意地が悪いですね。見つかるわけありませんのに」 紗彩さんは苦笑しながら一つの部屋に入っていく。 その部屋は何の変哲もない倉庫のような部屋だった。 「えっとですね。ここをこうして」 紗彩さんは壁の何ヶ所かに手を当てて魔力を込めた。 すると、壁が音を立ててパズルのように動き始め、奥に階段が現れた。 ……これは見つからないわ。
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