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そんな生活が一週間ほど続いたある日。
「はぁ~。今日もいい天気だ」
俺はまだ寝ている理玖を置いたまま、欠伸をしながら巨大な廊下を歩く。
俺がこんな城を歩いているだけでも不思議というものだ。
城なんてものは日本城に行ったことがあるくらいだが、こういう西洋風の、これぞお城っていう感じのものは感慨深いものがある。
壁に張り巡らされた窓から眩い光が差し込み、心地よい空間となっている。
廊下も磨き上げられているため、光を反射して神秘的な光景だ。
壁際に置かれた台には一目で豪華とわかる壺が飾られ、その台の横に、一人誰かがうずくまっていたりと……。
…………。
いやいや!!
「ちょ、大丈夫ですか!!って菜乃!?」
なんとそこにうずくまっていたのは菜乃だった。
うずくまっていると言っても意識はないようでぐったりとしている。
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