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額に大量の脂汗を浮かべ、呼吸もひどく荒い。
手足は力なく床に垂れていて、とても普通の状態には見えない。
「おい!!どうしたんだ!?」
必死に揺さぶりながら呼びかけるが、菜乃は一向に目を覚ます様子はない。
俺は急いで近くにいたメイドさんを呼び、菜乃を運ぶ部屋の手配をしてもらった。
理玖と朱莉と佐奈はまだ寝ていたためそのままにしておき、連絡が取れた悠斗さんと優衣さんが来てもらい、一緒に医者から説明を受ける。
運び込まれてからもう1時間経つのに、菜乃は目を覚ますことなくぐったりとしている。
「ちょっと申し上げにくいのですか……」
王都お抱えの医者は、言いずらそうに頭を掻く。
「原因は、おそらくですが魔脈覚醒によるものだと思います」
「え?」
俺達は顔を見合わせる。
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