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「ちょっと待ってください。彼女は既に魔脈に覚醒しているのですが……」
優衣さんが困ったようにそう言うと、お医者さんも唸りながら肩をすくめる。
「そのはずなんですけどね。症状から考えるとそれ以外に考え付かないんです」
つまり、菜乃は魔脈があるのにさらに魔脈が覚醒し始めてるってことなのか……。
「詳しいことはわかりませんが、魔脈が原因だと対処療法しかありません。ここは私に任せて、皆さんは……」
「はい、よろしくお願いします」
皆で頭を下げたあと、俺達は病室を出た。
病室を出て窓際まで歩いたところで、悠斗さんは大きくため息を吐いた。
「ああ~、どういうことだろうな」
悠斗さんは頭を掻きながら苦虫を噛み潰したように顔をしかめている。
「ええ。二重に魔脈が覚醒するなんて聞いたことがありません」
俺も同じだった。
魔脈覚醒はどんな人間でも一度切。
俺も魔脈超導のせいで同じような状態になったが、魔脈覚醒と言うわけではない。
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