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「とりあえず、皆さんにこのことを伝えます。佐奈ちゃんはいいとして、ちょっとお寝坊さんな理玖さんと朱莉さんにはいたずらもしてみましょうか」
優衣さんは薄く笑みを浮かべると、手にいくつかの水球を生み出した。
その水球はすっと移動してどこかへ消えていく。
「何をしたんですか?」
俺が優衣さんに尋ねると、悠斗さんが欠伸をしながら説明してくれる。
「優衣自作の連絡用水魔法だ」
すると、俺の前に一つの水球が現れた。
「触ってみてください」
優衣さんに促されて、俺はその水球を指でつついてみた。
瞬時に、水球が弾けた。
「おわっ!!」
だが水は俺にかかることはなく、床に広がって文字を描き出した。
床を流れることなく固まった水は、自作魔法第十号と書いてある。
「すごいですね……」
魔法の構成、文字を描き出す精巧な技術。
しかもこの魔法をどこかにいる数人に送ったのだ。
俺には到底使えない魔法である。
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