二度目の異変

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「でも変だよね。二回目の魔脈覚醒ってなんなんだろ」 佐奈は疑問を口にしながら、濡らしたタオルで菜乃の額の汗をぬぐった。 「知哉君は何かそういう話を聞いたことないの?」 菜乃に訊かれて、俺は頭に手を当てて唸った。 「ん~ないな。だって普通魔脈覚醒っていうのは、人が発育時に空気中に浮いている魔力の残滓みたいものを吸収して、体が一種の異常な反応を起こすことで、魔脈っていう器官が作られるんだ。つまり、普通二度目なんてあるはずがない。一度体に作られてしまえば、異常なんて起きようもないからな」 「じゃあ、なんでこうなっているんだと思う?」 「そりゃわからん。見極めるのに一番簡単な方法は、菜乃が早く元気になって魔法を使ってみること。魔脈になんかあったんならそれでわかるだろ」 「そのためにも……」 俺は視線を横に動かして、ベッド横にある机に目を向けた。 そこには何種類かの錠剤が置かれている。 それを手に取ると、裏返して薬の名前を確認する。 「……」 俺が黙って眉をひそめていると、菜乃は困ったように顔を逸らした。
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