薬の恐怖

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その後のことは曖昧にしか覚えていない。 訳も分からず叫んで暴れる私を、係員の人達が必死に押さえつけていた。 救急車で運び出され、競技場は騒然としていたそうだ。 一種の麻薬だったらしい。 最終的には幻覚のようなものまで見えていたのを覚えている。 それが、先輩が差し入れたお菓子に仕込まれていたらしい。 競技前に食べれば、競技中に症状がでても仕方がない。 それが狙いだったようだ。 先輩達は私が全国大会に行ったことを酷く妬み、このようなことをしたらしい。 本来の狙いなら、私が麻薬の効果を使って全国大会まで来たという筋書きだったらしいが、そんなにうまくことが進むはずもない。
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