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菜乃の体調は少しずつ良くなっているが、どうも回復が悪い。
俺達がこちらの世界に来てすぐに起きた魔脈覚醒は、一日経たずに回復した。
しかし、菜乃は何日も経っているのにまだ本調子になっていない。
こんな状態では魔法を使わせるわけにはいかないので、どうしようか決めあぐねいている状態だ。
今日を待っても回復しないようなら、大きな病院で精密検査を受けるべきというのが医者の判断だ。
だが、もう一つの問題は進展しつつあった。
菜乃の看病は佐奈に任せ、残りの皆は勇雷さんの家の会議室に集まった。
悠斗さんと優衣さんの調査が順調に進み、これからどうするか話し合うことになったのだ。
悠斗さんは机に手を付き、手元にある用紙を読み上げていく。
「今更だが相手の薬物組織は魔法に関する薬を作っている。裏付けが取れた」
「表立ってはいませんが、実際薬を使用して障害が起きたという人と接触できました」
使用するだけで障害か。
本当に危険な薬だな。
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