拉致

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どの程度使用してそんなことになったのかはわからないが、魔法への好奇心は恐ろしいものだ。 世に出回れば、悲惨なことになる。 「組織全体の人数は何十人もいないらしい。でもその分メンバーは魔法使いの割合も多いみたいだ。研究所も頻繁に変えているため特定しきれないのが現状だ。どうにかしたいんだが、現存の情報以外あまり目新しい情報が出てこない。本当に厄介な連中だ」 「研究所さえ特定できれば、お前だけでも壊せるだろうがな」 「だとしても、見つけれないのであればどれだけ強くても仕方ないんだよ」 確かにいくら強い魔法使いがいたとしても、悠斗さんが相手なら何人集まろうと勝負にならないだろう。 しかし組織が見つからなければ被害が広まるだけ。 いくら情報をかき集めようと、組織の居場所がわからなければ止まらない。 「そう言えばこれの解析結果が出ました」 月島さんは切り出しながら机の上にシャーレを滑らせる。 ガラスでできたシャーレの中には、青に色付けされた錠剤が一粒入っている。 表面には何の文字も書かれていなく、特徴と言えば青いというくらいのものだ。
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