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「これは?」
理玖が首を傾げながら尋ねる。
「悠斗さんと優衣さんが回収した薬の一つ。例の薬ですよ」
例の薬……これが魔法の……。
月島さんは他の薬も並べていきながら説明する。
「青は水属性の人のために作られた薬だと考えられます。属性によって色分けしているみたいですね。これには魔脈覚醒に必要とされている粒子の他に、体の成長を促進するようなものを組み合わせたもののようです。こんなもの、よく作れたものですよ。
他の薬は、一般的にも知られている覚せい剤などの麻薬まで様々作っているようですが、どれも高い技術によって作られています」
菜乃はここに来なくてよかったな。
この話だけでも顔を青くさせそうだ。
「それで、今後はどうする予定なんだ?」
勇雷さんが尋ねると、悠斗さんは机に肘をつきながらため息を吐く。
「それなんだよな。怪しい建物を虱潰しに調べていくか、買い手の振りをして売人に近づくか、色々考えられることはあるが、どれも難しい上に危険だ」
「特に売人に近づくのは危険ですね。こちらが動いていることを本格的に知られ、最悪エストリエの外に逃げられてしまえば、さらに捕まえるのが困難になります」
しかも売人に近づくなんて早々できるとも思えないし、会うこと自体にも危険が伴う行為だろう。
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