拉致

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でも、相手のことを考えれば、おそらく危険を伴わない方法などないのだ。 虎穴に入らずんば虎子を得ず。 誰かがその危険を冒さなければいけない。 「ともかく、手がかりが掴め次第、こちらから何かアクションをかけようと思う。その時は、できたらお前達にも手伝ってもらいたい。いいか?」 悠斗さんは最後の言葉を俺達に向けて言った。 理玖と朱莉は迷わず頷き、俺も了承した。 一先ず話し合いを終え、悠斗さんと優衣さんは再び街へと消えていき、理玖と朱莉はいつも通り軍隊の訓練へと参加しに行っていた。 俺は菜乃の所へと足を進める。 病室には菜乃と佐奈が楽しげに話し合っていた。 「調子どうだ~?」 俺に気づいた菜乃は顔を上げて微笑む。 「大丈夫。今日はもうずいぶんよくなってるから」
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