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俺の声を聞いた男達は、驚いて顔を上げた。
そして見えた。
押さえつけられている人は、頭に麻袋のようなものを被せられて手足を縛られていたのだ。
「なっ――」
目の前に広がる光景を見て、即座に頭をよぎる言葉があった。
拉致……まさか……!!
男達は俺達に気づくと、懐から銃や武器を取り出した。
それらは光を放つと形を変えた。
魔法使いか。
「菜乃は下がってろ!!」
俺は後ろの菜乃に向かって叫びながらアリオンを引き抜き復元する。
菜乃はシェキナを持ってきていないし、魔脈が不安定な状況で魔法なんて使わせられない。
相手の復元された武器の一つはショットガンのようになり、銃口がこちらに向く。
俺は菜乃を路地の向こうに押しやった。
そして、アリオンを地面に突き立てて体を覆い隠すように盾にする。
直後、銃口が火を噴いた。
ショットガンから放たれた炎の散弾は、アリオンの側面に命中して衝撃が走る。
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