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歳はバラバラで、何人から白衣を着ている。
腰には武器を下げており、雰囲気から察するに、何人か魔法使いだ。
薬のせいで魔力をほとんど感じられないが、それでもなんとなくわかる。
リーダー格の男が前に出ながら俺達に言う。
「無駄な抵抗はしてくれんなよ。大人しくここから出ろ」
俺と菜乃は、言う通り立ち上がった。
しかし、菜乃がすぐにふらついたため、慌てて支える。
菜乃の様子を見た男達は、訝しげに眉をひそめる。
「あ?お前ら薬は飲んだんだろ?」
「……ああ」
俺は言葉を選びながら、短く返す。
「この子は元々風邪をひいてるんだ。それより、お前達は何者なんだ?どうして俺達をここに連れてきた?」
こいつらがどんな人間なのかは把握しているが、それを言ってしまえばこいつらが自分達を探している人間がいるという情報を与えてしまう。
相手の反応を見つつ、なるべく少ない言葉で話を進めていく。
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