奔走

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そうこうしているうちに、俺と菜乃は腕を掴まれて、手首を出された。 「な、なにをするんだ?」 何も知らない風に装い、ちょっと抵抗を示す。 あまりに抵抗をしないようでは返って怪しまれる。 「ちょっと君達の魔力の属性を見せてもらうだけだよ」 眼鏡の男はそう言いながら、俺達の手首に石のついた腕輪を取り付けられる。 これを見たのは二度目。 この世界に来た時に使った、魔力を調べる道具だ。 示した石の色で魔力の属性がわかる。 魔法の実験を行うのに、属性がわからなければ研究もやりづらいだろう。 ましてやこいつらは、属性によって薬を分けたりしている。 調べるのは当然だと理解していた。 俺の属性は風。 そこには風属性を示す緑色の石が光っている。
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