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――綺堂 知哉(キドウ トモヤ)
「あとそれをこっちに持ってきて。あ、それはあっちね」
「はい……」
俺は教授の指示であちこちの資料をあちらこちらへと運んでいた。
俺、何しにここに来てるんだっけ?
本気でそれがわからなくなり、俺は茶髪の頭を掻いた。
そんな俺を見て、教授は楽しそうに笑った。
「あははは!!綺堂君。ちょっと手伝ってもらってるだけじゃないか。もう疲れたのかい?」
「……教授。かれこれ3時間くらい経っています。これはちょっとではないですよ」
ここに来たのは夕方だったのに、窓の外はもう真っ暗だ。
さらにそれからしばらく、俺と教授は資料の整理を続けた。
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