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「切断してみるという手もあるのだが……」
教授が提案してきたが、俺は首を横に振った。
「いえ、それはやめておきます。中に何が入っているかもわからないですし、この箱自体かなり貴重そうなものですから」
教授は小さく息を吐いて頷いた。
「そうだね。これ、もう少し預かってもいいかな?まだ試せてない方法があるんだ」
「ええ。ぜひお願いします」
俺はお茶を飲み干してコップを机に置いた。
「それでは俺は失礼します」
「ああ。ありがとう。本当に助かったよ」
俺は教授に頭を下げて部屋を出て行く。
というか、まだ試せてない方法があるのに、なんで俺を呼んだんだ……。
絶対部屋の片付け手伝わせるのが目的だったな、うん。
しかし、頼みごとをしている立場なのでそんなことは言えない。
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