皆の家族

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「すいません。九条 菜乃さんの家を探しているのですが、こちらでよろしかったでしょうか」 『……』 相手の女性は少し黙ってしまった。 『……記者の方ですか?』 少しトーンの低くなった声で女性が言った。 少し慣れているような対応。 菜乃がいなくなったことで、マスコミ関係に嫌な思いをされていたのかもしれない。 「いえ、菜乃さんのことで伝えなければならないことがありますので参りました。もしよろしければ、お邪魔させていただけないでしょうか」 少しの沈黙の後、答えが返ってきた。 『……少しお待ちください』 「はい」
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