皆の家族

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その時、一人の男性が部屋に入ってきた。 「娘のお友達ですか?」 男性が俺と反対側の椅子に腰を掛けながら尋ねてきた。 綺麗に整えられた髪をした、印象のいいサラリーマン風の人だった。 菜乃は両親と三人暮らし。 つまり、この二人が菜乃の両親なのだ。 菜乃のお母さんも、ゆったりと椅子に座った。 二人とも普通に振る舞っているが、どこか疲れている感じがする。 一人娘が行方不明になってからもう半年。 当然といえば当然だ。
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