皆の家族

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――夏目 理玖 知哉があっちに帰ってから一日が経った。 俺達の異世界生活は、知哉を除いてそのまま続いていく。 俺は寮の部屋で満月が照らす空を見上げていた。 知哉がどういう順序で俺達の家を回るかは聞いていなかったが、遅くても数日の間には、俺の家に行くだろう。 たぶん、そこで知哉は知ることになる。 どう思うだろうか。 俺の道場で起きたあの事件を巡る顛末は、ほとんど公になることがなく消え去っている。 でも、時々思うのだ。 あれが起きなければ、今でも、きっと……。 そして、もしかしたら、俺と朱莉は……。
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