皆の家族

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知哉が帰ってくるのは一ヶ月ほど先。 その時に、あのことを知って帰ってきたら、知哉はどうするだろうか。 変わらず接してくれるだろうか。 俺はそんな考えを一蹴して腰かけていた椅子から立ち上がると、部屋を出ていく。 行く先は、隣の部屋。 どうなるにしても、その時までに話しておかなければいけない。 体が震えだしそうになるのを抑えながら、大きく深呼吸をする。 そして、部屋をノック。 すぐにどたどたと音がして、勢いよく扉が開いた。 「あ!!理玖!!どうしたの?」 パジャマ姿の朱莉が笑いながら飛び出してきた。 俺は唾を飲み込み、告げる。 「話が、あるんだ」
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