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理玖の家族は現在祖父だけだ。
その祖父が道場をしているはずだから、誰か道場で稽古をしているなら、たぶん理玖の祖父は道場にいるだろう。
俺は大きな掛け声や竹刀を打ち合う音が聞こえる道場を覗き込んだ。
道場は素人の俺から見ても結構な大きさの道場だった。
その道場で何十人もの人が竹刀を振り、一部では柔道のようなことをしている人など、色んな武道をしている人達がいた。
「おお……」
俺は思わず感嘆の声を漏らした。
用事そっちのけで道場の迫力に圧倒されていると、年配の方がこちらに気づいて歩み寄ってきた。
きっちりと袴を着込み、少し白髪の混じる髪の短い人だ。
「どうかしたかね?入門者かね?」
低く通る声で、相手の人が訊いてきた。
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