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「いえ、夏目 徹二(テツジ)さんに会いたいのですが、いらっしゃるでしょうか?」
俺が尋ねると、相手の人は少し眉を上げた。
「徹二は私だ。君は誰かね?」
この人が、理玖のお祖父さんか。
「すいません。僕は綺堂 知哉と言います。夏目 理玖さんのことでお話があってきました」
徹二さんの目がすっと細くなる。
「……ここでする話ではないな。奥で話そう」
「はい。構いません」
俺が了承すると、徹二さんが子ども達に剣道を教えていた若い人に声をかけた。
「一志(ヒトシ)。少し外すぞ」
「ええ。わかりました」
一志と呼ばれた人は笑顔で頷いていた。
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