皆の家族

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徹二さんは読み終わった手紙を折りたたんで肩を落とした。 「あの、その手紙のことなんですが……」 「ちょっと待ってください」 俺が詳しいことを説明しようとすると、徹二さんが俺の声を遮って道場の扉を開けた。 「少しこっちに来てもらっていいですか?」 徹二さんにそう言われ、俺は訳もわからず道場に足を進めた。 「皆ちょっと手を止めてくれ。一志、お前は防具をつけて来い」 徹二さんの一言で、道場にいた子ども達や大人達は脇に避け、一志さんは首を傾げながらも防具を着に他の部屋に消えていった。 ……何か嫌な予感がする。
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