皆の家族

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抵抗を続ける俺に、徹二さんは意地の悪そうな笑みを浮かべる。 「な~に安心しろ。一志は理玖程の強さはないが、私を除けばこの中の誰よりも強いからな」 あ、安心できねーー!! 「わ、わかりました!!とりあえず力を示すのはわかりましたが、防具はなしでいいです。俺防具なんてつけたことないんで。竹刀か何か貸していただければ」 俺が折れてそう言うと、徹二さんは眉をひそめながら腕を離した。 「でも、もし竹刀があたりでもしたら、シャレにならない痛みだぞ?」 「その時はその時ってことで」 諦めてため息を吐きながら、隅の方に荷物を置きに行く。 どうして、こんなことに……。 完全に思惑とは別の方向に向かってしまい、落胆の色を隠せなかった。
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