皆の家族

24/50
前へ
/2188ページ
次へ
俺が隅の方で軽く体を動かしていると、中学生くらいの子どもが何人か集まってきた。 「先生に何言ったの?」 「何って……まあいろいろとね……」 適当に教えるわけにいかずに、言葉を濁して柔軟を続ける。 「教えてよ~。先生があんな機嫌いいの見たことないもん。何言ったらあんなになるのか教えて~」 中学生達にもみくちゃにされながら、俺は横目で徹二さんを見た。 初対面の俺には分からないが、どうにも普段からは考えられないくらい機嫌がいいらしい。 それもきっと、理玖が無事だとわかって嬉しいからなのだろう。 俺の力を見る前から、手紙の内容が正しいことを信じているではないか。
/2188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27561人が本棚に入れています
本棚に追加