皆の家族

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仕方ないな。 理玖に強いと言われ、徹二さんにきちんと信じてもらうために、何としても一志さんに勝とう。 俺は上着を脱いで道場の真ん中、徹二さんがいるところまで行った。 同時に一志さんが防具をつけないで出てきた。 「初めまして、一志です。あなたが防具をつけないと聞いたので、僕もそれで。自分が攻撃を受けても痛くないと思えば戦い方も違ってくるので」 「は、はあ……」 確かにその通りなのだが、、俺が本気で打ち込めなくなってしまった。 「竹刀はこれを使ってくれ」 俺は徹二さんから竹刀を受け取り、適当に振って感じを確かめる。 実際の訓練でも竹刀や木刀と言った類のものはほとんど使ったことがないが、なんとかいけるだろう。
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