皆の家族

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「これは試合でもなければ剣道でもない。礼儀のことは気にせず打ち合ってみてくれ」 「「はい」 俺と一志さんは返事をして、道場の中央に立った。 「なあ、これってなんなの?」 「よくわからないけど、あの人の強さを見るんだって」 「強さ見るって、一志さんの余裕勝ちだろ」 周りに集まっている人達がひそひそと囁き合っている。 小学生のような人達から中年の方まで、相当な人数が集まっている。 一志さんは、その人達の絶対の信頼を得ているようだ。 全員一志さんが負けることがないと確信しているのだろう。 一志さんは見たところ俺と同年代。 それなのに年上の人からも認められているとなると、相当な強さなのだろう。
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