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｢では構えてくれ｣
徹二さんに言われ、一志さんは竹刀を構えた。
一志さんの構えは剣道の基本的な構えである中段。
逆に俺は剣道はやったことがないので、構えはきちんとしたものではない。
初めは適当に構えていたが、今では自分なりに構えが定まってはいる。
しかし、竹刀で同じことをやっても仕方ない。
俺は左足を前に出して、全身から力を抜く。
そして、両手で握った竹刀を横にし、竹刀の先端が床に付きそうなくらいまで下げる。
｢変な構え……｣
どこからか子どもの呟き声が聞こえてきた。
うるさいわい……。
子どもに言われると少し傷つくぞ。
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