皆の家族

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俺は勢いよく走り出した。 一瞬にして俺と一志さんの間合いが縮まる。 一志さんは驚いたように目を見開きながらも、後退して距離を取ろうとする。 だが、俺はさらに速度を上げて一志さんの後ろに回り込んだ。 そして、ステップしながら体を回転させ、一志さんに竹刀を振り下ろした。 「それまで!!」 徹二さんが大声で止めた。 俺はピタリと竹刀を止める。 竹刀は一志さんの首元で静止している。 「なんだ今の動き!!」 「はえぇ!!」 周りから大きな歓声が上がった。 一志さんは強い。 でも俺は、あっちの世界に行って魔法が使えるようになったこともあって、身体能力が常人の比ではない。 本気を出したら、簡単に勝ててしまうのだ。
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