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「俺の家が道場をやっているってことは話したな?」
「うん、知ってるよ」
「……今から3年、いや4年くらい前になるのか。俺が16歳くらいの話だ。俺の家の道場、一人の女性がやってきた」
ぞくっと、私の背筋に嫌なものが走った。
「俺の家の道場は、今でも相当な人数が通っている大きな道場だ。そんな道場に、道場破りを続けていたその人が来るのは当然と言えば当然だったんだろう」
理玖の話す言葉の一句一句が胸に突き刺さっていく。
待って……突然何言って……。
理玖は、机の上できつく手を握りしめ、沈痛な面持ちで眉を下げていた。
「有名な人だったこともあり、俺の家の道場でも模擬戦をすることになったんだ」
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