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私は茫然として、視線を下に落とす。
だが、思い直しておかしいと感じ、机を叩きながら勢いよく立ち上がった。
「いや、おかしいじゃない!!理玖は何を言ってるの!?確かに理玖の言う通り、お母さんが植物状態になったのは私達が16歳くらいの時だった。でもそんな子どもが、お母さんにそんな怪我を負わせるなんてありえない!!」
16歳なんて本当にまだ子どもだ。
理玖の言っていることはおかしい。
理玖の話から、てっきり理玖のお祖父さんかお父さんかと思ったのに、理玖だと言われても、とてもじゃないけど考えられない。
私が大声で吠えたのにも関わらず、理玖は動じずに私を見返していた。
「朱莉の言いたいことはわかる。あの人は強かった。今でもよく覚えている」
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