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徹二さんに朱莉のことは話していない。
間違いはないと思うが、絶対的な確証はない。
それに、ただでさえ理玖のことを心配している徹二さんに、さらに心配をかけるのも忍びないのだ。
いずれわかることだし、これは俺が伝えるべきものではないと思う。
「それでは、失礼します」
徹二さんに頭を下げ、俺は転移で自宅へと帰った。
明りの消えた暗い部屋に降り立った。
当然ながら誰もいない訳だが、自分の部屋でありながらまだ慣れずに違和感を覚える。
荷物を投げ出した俺は、力なくベッドに横たわった。
「疲れたぁ……」
一志さんとの打ち合いもそうだが、やはり初めて行く場所というのは存外体力を使うものだ。
気を抜くとドッと疲れを感じる。
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