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だが、さすがに面倒になってきた。
今日は九州まで行って朱莉の母親に会わなければいけないのだ。
病院には当然面会時間があるので、あまり遅くなると日を改めなくてはならなくなる。
「あの、俺そろそろ行きたいんですけど、通してもらっていいですか?」
「いえ!!まだ質問が……!!」
いや、知らないよ。
申し出たものの取材班は一向に退く様子ない。
仕方なく、俺は無理矢理押し退けて進み、人ごみから出れたところで走り出した。
「待ってください!!」
「まだお話を!!」
いつ終わるかもわからない話に付き合っている時間はないです。
後ろから様々な声が聞こえてきたが、耳を貸さずに走り抜ける。
ふと、途中で路地で誰かが手招きをしているのが見えた。
俺はすぐにそこに駆け込んだ。
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