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明菜さんが入院している病院は大学病院だった。
受付に行き、面会したいのですがと伝えると、どちら様かと聞かれてしまう。
答えに困ったが、明菜さんの娘の代理のですと答えると、受付の人は目を丸くしてどこかに連絡を始めた。
しばらくして来たのは初老の先生。
「こんにちは。君が朱莉さんの代理という方ですね。私は暁 明菜さんの担当医をしているものです。よろしくお願いします」
先生は浅い皺がたくさん刻まれた手をこちらに差し出してきた。
俺は笑顔で返しながら、先生の手を握った。
「こちらこそよろしくお願いします」
先生に連れられて、俺は明菜さんがいるという病室に向かって歩き出した。
この先生はここの医院長でもあるらしく、明菜さんのことも事故当時から診てきたとのことだ。
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