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「朱莉さんの代理ということですが、朱莉さんが来なくなったのは理由があるのですか?」
「ええ。もうしばらく来ることはできません。詳しいことは、お話しできないのですが……」
「そうですか。話しておきたいことがあったのですが……」
先生は残念そうに息を吐きながら首を振った。
「え……それはどういう……」
俺は明菜さんの病態が悪化したのかと、咄嗟に嫌なものを感じた。
なにしろ、明菜さんは植物状態なのだ。
俺の狼狽した様子を見て、先生は苦笑しながらも微笑んだ。
「ははは、安心してください。そういう意味ではありませんから」
先生はそう言って一つの病室の前で立ち止まった。
名札の部分に、暁 明菜さんの名前がある。
どうやらここのようだ。
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