屈託

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墓地を出て、再び自転車を走らせる。 そして、墓地から10分くらいの距離にある施設へと向かった。 この施設はツバサがいたところだ。 ツバサのお墓があの場所に作られたのは、施設が近くにあったからなのだ。 既に連絡は入れてあるので、問題なく施設に入ることができた。 施設は子ども達で溢れかえっていた。 外からの人が珍しいのか、途端に俺は囲まれる。 「お兄ちゃん誰~?」 「何しに来たの~?」 小学生くらいの子ども達に囲まれて、揉みくちゃにされる。 「わわわわわ」 あまりの勢いに目を回してしまった。 施設の人になんとか救い出されて、ゆっくり話ができる部屋に移ることができた。 「すいません。お見苦しいところ見せてしまって」 「いえいえ、大丈夫ですよ」 助けてくれたのは、加納さんという若い女の人だった。
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