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――夏目 理玖
「我纏うは迸る雷、我放つは迅雷の猛虎」
俺が詠唱すると同時に、手から青白く光る電気の虎が飛び出し、悠斗さんに向かっていく。
空中を滑るように走りながら、電気の虎は悠斗さんに襲い掛かる。
「ははっ、上級魔法もきっちり使えるようになってんな!!」
悠斗さんは楽しそうに笑いながらカグツチから炎を放って相殺する。
知哉が亜界に帰ってから早三週間。
俺はがむしゃらに魔法の特訓を続け、今では上級魔法もやすやすと使えるようになった。
知哉が本気で魔法を使うと努力していたように、俺も本気で魔法を使えるように努力した。
とはいっても、半分程は自棄になっていただけだ。
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