屈託

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「はぁ……」 俺は小さくため息を吐き、踵を返して寮の入口に向かって歩き出した。 今日もまた、結局朱莉には会えなかった。 そう思いながら、暗い夜の下を歩く。 その時だ。 バンッと、大きな音がする。 その音は上から聞こえた。 驚いて上を見上げると、先程まで見ていた窓が開け放たれ、一つの影が降ってくるところだった。 「わああああああああ!!」 「あ……え……!!」 俺もさすがに動揺したが、どうするか考える前に、その影は俺に降ってきた。 数階からのダイブ。 「ぐあ……」 なんとか受け止めたのだが、その衝撃を耐え切れずに地面に倒れこんだ。
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