屈託

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朱莉に連れて来られたのは、いつも使っている訓練場。 俺達が毎日使用しているため、俺達以外の人が使わなくなったくらいの場所だ。 さらに魔法学院は強くならなくてはいけないため、24時間使用可能になっている。 係員の先生は問題なく通してくれ、俺と朱莉は訓練場に入った。 「はい」 朱莉はこちらに、俺がいつも使っている長さの木製の棍を投げてよこした。 「私は素手でやるから、理玖はそれを使って」 「これを使えって……」 俺が手元の棍に目を落としながら訝しげに呟くと、朱莉は指を鳴らしながら俺を見返した。 「私と理玖で一対一。真剣勝負だよ」
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