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だけど、俺達は出会った。
ありえないことではあったが、偶然か必然か、距離も世界も越えて、俺達はこの世界で出会ったんだ。
朱莉は体を起こして、憂いに満ちた表情で俺を見た。
「私、ずっと理玖を苦しめてたんだね。本当に、ごめん」
「……なんで、謝るんだ。悪いのは俺だ」
「ううん。私も悪いところはあった。いやでも、どっちも悪くなかったのかな」
朱莉は立ち上がりながら服に着いていた砂を払った。
「あれは本当に事故だったし、理玖が黙ってたのも仕方のないことだったし、私がパニクったのも仕方ないと言えば仕方ないかな。だからさ」
朱莉は笑いながら俺に手を差し伸べた。
「これからはまた、今までみたいに仲良くしてよ」
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