再び超えて

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俺が尋ねたことに、菜乃の両親は顔を見合わせた。 「菜乃から聞いていないんですか?あの子、薬が飲めないんですよ」 菜乃のお母さんに言われて、俺は以前菜乃が薬がダメだと言っていたことを思い出した。 「ああ、そういえば、以前そんな話を聞いたような……。でもなぜなんですか?アレルギーか何かすか?」 しかしアレルギーだとしても、薬がダメなんてことにはならないと思うけど……。 先程菜乃のお父さんが言った言葉にも、もっと重みがあるように感じた。 菜乃の両親は、顔を暗くして言葉を詰まらせていた。 菜乃のお母さんは、一度何かを言いかけて止め、少し俯き気味に言った。 「菜乃が言っていないなら、私達が言うのも悪いので止めておきます。ただ、昔ちょっと……」 それもそうだ。 二人の様子を見てわかる通り、簡単に話せる話でもないのだろう。
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