再び超えて

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荷物を整理している俺を見て、橙乃は少し顔を翳らせた。 「本当に、あっちに戻っちゃうんだ……」 残念そうに肩を落とす橙乃。 俺は横目でちらりとそれを見つつ、声のトーンを落として言う。 「ああ、向こうに残している皆のこともあるし、それが終わっても……」 「それが終わっても……?」 「……まだ、やらないといけないことがある」 顔を上げ、窓から覗く青空を見ながらはっきりと告げる。 ツバサのことはこちらの世界ではわからなかった。 なら、手掛かりはあっちの世界で探すしかない。 いつになれば終わるかなんてわからない。 でも、絶対に探してやる。 諦めたりなんか、してやるもんか。
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